日記

女子大生が暇つぶしにはじめるブログ

こぼれ落ちたものを拾って

今週のお題「わたしのコレクション」

 

小さな頃、宝物を入れるための箱を手に入れた。それはなんでもないようなお菓子の空き箱だったが、私にとっては宝箱だった。薄ピンクで、全体に立体的な植物があしらわれている長方形の箱で、どこのお菓子の銘柄かも分からないような。中に何が入っていたかも覚えていないが、当時のわたしにとってはかわいくて魅力的に映った。あまり大きくはないので、新しく宝物が増える度に、中にあるものを一つ一つチェックして、1番必要ないものをダンボールに移して、常に最新の宝物が中にあるようにセットしていた。

 

中に入っているのは、幼稚園卒業の時に配られた園歌が流れるオルゴールと、道端で拾ったキーホルダー、七五三の時に撮った家族写真と、どっかの家の庭から盗んだ丸い石、ラッピングに使うようなリボン、使えなかった兎のシール、親から譲ってもらった宝石の付いているブローチ。

 

そんなものだ。他にもきっとあるだろうが、思い出せない。

 

 

大切な友達に貰った手紙を入れていたかもしれない。入れていなかったかもしれない。

 

ただ、昔はそこにあったものを今よりも大切にしていた気がする。今では、成長して、道端に落ちているものなんて拾わなくなったし、卒業式で貰った時計は電池が切れたまま部屋の隅に放置している。友達から貰った第二ボタンは棚の上で埃を被って輝きを失ってしまったし、シールなんて買いもしない。プレゼントを貰っても、装飾はすてるようになった。

こんな他人から見れば、今の私から見れば、ゴミのようなものでも、昔は大切に出来ていた。

大切にしまって、こぼれないようにしていた。

 

 

 

わたしは何かを大切にしたい。記憶は、するするとこぼれ落ちるように、流れてゆく。その一瞬一瞬を確かにそこにあったものにする為には、流し見して終わりにするようじゃ足りないのだ。きちんと拾って、宝箱の中に入れておかなくてはならない。